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そして僕等は絡み合う

第4章 人見 聡右の場合

自分は弾き飛ばされた勢いで、ヨタヨタと千鳥足になって、数メートルで先で踏みとどまる。


一瞬何が起きたか把握できなかったが


「南野さん!」


西垣さん叫び声で我に返り、マッドの方を振り向くと、南野さんとマッドがお互いの腕を掴んで、取っ組み合っていた。


「南野さん!逃げて!」


南野さんも体格は良い…
それでもマッドの方が一回りガタイが大きかった。


どうしよう…関係ない南野さんまで巻き込んでしまった…。


だが、2対1なら勝算はあるかもしれない…


そう思って微かに震える足で、マッドに突っ込んで行こうとしたが


「人見さん!来ないで下さいっ!」


南野さんに止められてしまった。


「でも…二人なら…」


「大丈夫です!それより警察に!」


警察…確かにそうだが…その間に南野さんに万が一の事があったら…。


西垣さんを見ると完全にフリーズしている。


クッソ…


震える手でスマホを取り出そうとした瞬間だった…。



「うおぉぉぉぉぉっ!」
「わぁぁぁぁぁぁっ!」


二人の野太い声が混ざり合い、辺り一体に響き渡った。


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