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そして僕等は絡み合う

第5章 南野 昴の場合

忍び足で近付いてみると――――

西垣さんの高めの声がハッキリ聞こえてくる。


「……から〜! 私だって忙しいんだって」


「分かってますけど、アパートの皆んなで交流出来る滅多にない機会ですし」


「別に…皆んなで仲良くしなくてもいいんじゃない」


「人気稼業なのに近場から愛想悪くてどうするんですか?」


「はぁ〜!? 愛想悪いって、アンタに言われたくないわよ! てか、ここでマヨ…あの事は言わないで!!」


「昨日の今日で何言ってんですか、今更」


「…やっぱりアンタ…ムカつく」


ふむふむ…
状況を分析するに、人見さんの手にはバーベキューのお知らせを持っている。


西垣さんの話的には参加したくなさそうだ。


しかし、せっかく人見さんは参加なのに、西垣さんだけ欠かす訳には問屋がなんちゃらだ!


俺の『男の恩義』が許さない!!


何としても西垣さんも参加させようと、二人の間に割って入ろうとした――――ら!


「南野さん、戻られたんですね」


先に人見さんに、気付かれてしまった。

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