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愛 人 契 約

第3章 近づいていく距離

明日はファミレスのバイト休みだけど…

わたしはいつものように断った。



「今日は時間あるし、上がりまで待ってるよ」

「そんなの悪いし…」

「俺なら大丈夫だよ。迷惑じゃなければ。千春ちゃんともっといろいろな話がしたい」



黒崎さんにじっと見つめられる。

いつもなら断ったらすぐ違う話題にしてくれるのに、今日の黒崎さんは少し様子が違った。



「…………じゃあ…」

「…ありがとう」

「い、いえ!お礼言うのはこっちですよ」



思わず誘いを受けてしまった。



「…あ、お酒、どうぞ」

「どうも」



黒崎さんはグラスを受け取った。

左手に光る指輪が目に入る。








近付きたくない

近付きすぎちゃいけない

そう思ってるのに……

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