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愛 人 契 約

第3章 近づいていく距離

ーーーー…… 



「お疲れ様」

「待たせちゃってすみません」

「全然平気だよ」



お店を出て並んで歩く。

最近はすっかり秋らしくなって、夜はとても涼しい。

…人恋しくなる季節が近付いてきてる。



「おなか空いてるよね?何か食べたいものある?」

「いえ、そんなに…」



ぐ、ぐうぅ~……



『空いていません』を言う前に、おなかの音が言葉を遮った。



「…………………あ」



も~!!はずかしすぎる!!!!



わたしは顔が一気に熱くなるのを感じた。



「……おなか、空いてるよね」



黒崎さんはクスクス笑いながら言った。



「………は、はい…………」



わたしはストールに顔をうずめる。

はずかしすぎて、顔があげられない。



「千春ちゃんは本当に嘘がつけないよね」



黒崎さんはわたしの頭をやさしく撫でる。



「かわいいな」



目が合って見つめ合った瞬間、さっきよりももっと顔が熱くなった。

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