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愛 人 契 約

第6章 秘密の契約

「千春ちゃ~ん!ご指名で~す!」



ボーイさんの声が、殺伐とした雰囲気の待機ルームに響く。



「…は、はい…っ」



急に現実に引き戻されたよう。

そうだ、仕事しなくちゃ。



そう気を持ち直して場内へと向かう。

でも本当は接客なんてできる気分じゃない。



女の子たちの軽蔑したような、冷たい視線…

萌ちゃんの豹変した態度…

『枕営業』

『卑怯者』……



思い出すだけで心臓がドキドキして、頭がぐらぐらする。



自分の指名のために黒崎さんと寝たわけじゃないけど

やっぱりお客さんと関係をもつことはやってはいけないことだったんだ…



幸せな朝から一転、私の気分はどん底だった。

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