イケない同棲生活
第2章 2―契約成立
にわかに信じがたいけれど、今までのお父さんの行動を考えれば、納得がいく。
え、ちょっと待って。
「じゃ、じゃあもしかして、同棲の相手って…、」
『どうやら俺らしいな。別に、アンタならいいよ。楽しそうだし』
「いや、いいよって!!」
『早く来いよ』
「は、」
『早く来いって言ってんだ』
いや、何様ですか。
自然と眉間に皺がよるのを感じながら、その言葉に反論しようとしたけれど。
『俺が全部教えてやる。キスの仕方も、セックスも』
「っ」
直接聞けないような言葉を普通に言うもんだから、みるみるうちに赤く染まる私の顔。
『お前の家の近くにある河川。そこで待ってる。いいか、そこがどこであろうと20分には来とけ』
「はあああ?!――って、切れてるし!!」
そして強制的に電話を切られ、強制的に妙な契約を、契られたのであった…。