
イケない同棲生活
第4章 4――偽装生活
「…可愛い」
すると、そんな心の中の声が思わず言葉となって口から零れてしまった。
え。
え。今誰の声?
え、私?私が言った?
パチパチ。目を瞬いて、僅かに目を見開かせた男を見る。
今の私が言ったのー?なんて軽々しく聞けるわけも無く、私もただ目を瞬かせていると。
見開いていた男の目が、みるみると釣りあがっていくではないか。
あっはっは。あれ。私、本日何度目のピンチ?
「オマエ……相当、俺にいたぶられてえみてぇだな?」
やっやっぱりぃいぃいい!!
「もっももっ申し訳ございません!今のはちょっと口が滑っちゃったといいますか、あの、本心をついポロリと…!!」
ぎゅっ目を瞑って、謝罪の誠意を一生懸命言うも地雷ばかりで。
・・・ああダメだ。私喋んないほうがいい。
と思ったときには、もう既に私がつらつらと並べた言葉は男の耳にまで届いていた。
案の定、不敵な笑みを浮かべる男の目は完全笑ってなどいなくて。
「もうしらねぇ。手加減なんてしねえから」
昨日とは比にならないくらいのスピードで、私を裸にさせたのである。
