
イケない同棲生活
第6章 犯人追跡?
「食われるって…私の弁当を?」
「黙れ。違う。あんた自身よ!」
小声で怒りを露わにする彩織に、はっきりと口にされた言葉。
なにを根拠に、と思うけれど…。
脳裏を過ぎったのは、あの時見せた宮島楓の苦しそうな表情で。
いつもならこんな会話は笑い飛ばすはずなのに、何も言えなかった。
「私、アイツ苦手だわ。何考えてるかわかんないし」
「……」
「とにかく、雨宮君から見えないとこは行っちゃダメよ。特に宮島君には気をつけて」
そして、この会話は彩織の言葉で終止符を打った。
【宮島君には気をつけて】
これは彩織の憶測であって、実際私が宮島楓に食われることなんてあるかわからない。
なのになぜか、そんな彩織の言葉が仕事中延々と流れて。
今日は…というか、今日も仕事に集中などできず、結局残業をすることになったのだった。
