秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~
第4章 心のゆくえ
とファン・ジニに語っていたのを思い出し、伝説の内容から、〝張嬉嬪〟の時代がファン・ジニの生きた時代より約百七十年後であり、また、ファン・ジニに登場した王というのがヨンサングンの弟であると判りました。つまり、ファン・ジニの時代は〝王の男〟の舞台となった時代のすぐ後だと知ったのです(ちなみに、ヨンサングンはあまりに悪政を重ねたために、臣下たちに背かれ、王位を剥奪、その次に王となったのがチマ岩で知られる王でした。チマ岩の王の王妃シン氏は王妃となった直後、廃されました。その理由は彼女がヨンサングンの宮廷で重きをなしていた臣下の娘であったからだといわれます。つまり、先代の暴君と少しでも拘わりのある大臣の娘を王妃にしておくわけにはゆかなかったのでしょう)。