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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第1章 人知れず咲く花

「前任者の張尚宮は、予にとっては母のごとき存在であった。そなたは母というよりは、姉のような―」
 王はそこで少し首を傾げ、思案顔になった。
「いや、姉というよりは、友人といった方が近いかもしれぬ」
 王は納得したように頷いた。
「そなたは、予と歳も近いゆえ、良き話し相手になってくれよう。期待している」

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