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発言にはご注意を

第1章 発言にはご注意を

鍵を開けて扉を開ければ五人が顔をひょこっと出してこう叫んだ。

「どっきり大成功!!」

「……え?は?」

「お前アホやな~。そんなんあるわけないやん!!」

「純粋って言ってあげて?」

「…汗かいてるし。」

「お前どんだけやねん!?」

「役者魂やな。」

「ま、まぁな。」

思い思いに話し出すメンバーを前に、俺はただポカンっと口を開けたまま突っ立っていた。

「よこー!大丈夫か?」

「…えっ…あれは?なんやったん?」

「おもちゃに決まってるやん!!」

「……はぁ!?もう…なんやねんー!」

トイレの下におかれたおもちゃを見て俺は小さくため息をついた。

「本気で襲われたんとちゃうやろな?」

「ちゃいますよー!これは僕の実力っ!!」

みんなが名演技のまるにみんなが集まっているなか、俺は服を着ながら湯船を見た。

浴槽にはまだお湯がはられたままだった。

俺は誰にも気づかれないように栓を抜き、お湯とそのなかに浮いた白い濁りとともに、さっきまでの出来事を流した。

このまま自分も騙されたふりをした方がすべて丸く収まる。

お湯がすべて流れたあと、俺はカーテンを閉めて、メンバー全員とともに風呂場をあとにした。

乾いて冷たいおもちゃを手にもって。
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