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恋のハードル高し!!(に)

第2章 信頼

いつも向かい合って乗る電車も、何となく背を向けた。


逞は察しが良く、こうなるような気がして私に明るく振舞ったんだろうけど、余計にそれが嫌でこういう態度をとってしまった。


「ミラ……」

「ん?」


私は振り向きもせずに返事をすれば、逞は深く息を吐きながら私の顔の横に手をついた。


「機嫌直してくれない?ミラとは喧嘩したくない。その時間すら惜しい」

「……は?」


私がそう言うと、ひょいっと顔を出しドアの窓部分に息を吐いた。

丸く白くなったところに『スキ』と書き、私の頬にキスをした。

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