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恋のハードル高し!!(に)

第1章 予兆

「ミラちゃん!!タクー!!逃げんな!!」


「ほら、ちょうど電車も来たから行くよ?」


駆が走って来るのを見ながら笑って手を振った私は、階段を駆け降りて逞と一緒に電車に乗る。


朝から騒がしい幼馴染と、高校が離れても毎朝の駅で顔を合わせる私たちは8人と言う大所帯。

あれ?
何か……白雪姫と七人の小人達みたい。


「何笑ってんの?」

「ん?幼馴染8人が白雪姫と一緒だなって」

「……ミラが白雪姫?」


と鼻で笑う逞にイラっとする。
別にお姫様願望があるわけじゃないけど、笑われると心外!!


口を尖らせてふて腐れれば、逞に唇を摘まれる。


「変な口すると食べるよ?」

「はヒ、辞めまフ」


逞は口角を上げて私の口を摘まんだ手をドアに付け、向かい合ったまま私を見つめて来る。


……あぁ、心臓に悪い。

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