悪魔と淫美な世界へ
第6章 ~揺さぶられる心~
棘で囲われた古びた屋敷…
その寝室では、意識を失い全身傷だらけの潤那が両手を縛られ宙吊りにされてる姿と…
激しく軋むベッドの上で、黒胡の苦痛を与えるだけの攻めに耐えている美蘭がいた。
「あぁっ…うっ…」
「フッ…良い顔をするね もっと苦痛で歪めたく なる」
冷たい笑みを浮かべ、黒胡は横に置いてあったナイフを手にして美蘭の頬に切りつけた。
「っ…黒胡様っ…やめっ …」
「この程度で?
お前には、途中で気絶 した潤那の分も楽しま せてくれないと…」
薄ら笑みを浮かべながら、黒胡は血が付いたナイフを舐めた。
その残虐な姿に、美蘭は恐怖で固まってしまった。
しばらくして悲鳴混じりの声が聞こえなくなった頃…
血で赤く染まったベッドで、全身切り傷だらけの美蘭が横たわっていた。
「さすが魁のお気に入り だっただけの事はある ね
久々に楽しめたよ
潤那を連れてシャワー でも浴びるといい」
「…はい…」
満足げに身なりを整えた黒胡は、2人の様子など気にもせず寝室を出て行った。
魁が人間の女に入れ込 んでる間、俺に賛同す る者は増えつつある…
魁と力は差ほど変わら ない…なら‥‥
先に精神を崩そうか…
企みを含んだ冷たい笑みを浮かべながら、黒胡の姿は闇へと消えて行った。