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悪魔と淫美な世界へ

第6章 ~揺さぶられる心~

 
 
 
棘に囲われた屋敷…
 
王座の様な椅子に脚組して座っている黒胡と、意識を失っているゆきを抱えているイケメンの姿があった。
 
 
 
「黒胡様、連れて来まし た」
 
「よくやったね
 褒美は何がいい?」
 
「じゃあ、この人間を味 見してもいいですかっ ?」
 
「フッ…
 そんなに興味あるのか ?」
 
「はいっ
 魁様のあの入れ込みっ ぷりはただ事じゃない ですから」
 
「そう…
 でも悪いが、その人間 の代わりにこの美蘭と 潤那でいいか?」
 
 
 
パチンと指が鳴ったのを合図に、露出したドレスを身にまとった美蘭と潤那が優雅に現れた。
 
 
 
「お呼びですか?
 黒胡様…」
 
「この男の相手を頼む
 
 しっかり楽しませるん だよ?」
 
 
 
柔らかな口調とは逆に、冷たい目と笑みに美蘭と潤那は怯えた様な素振りを見せた。
 
 
 
「わかりました…」
 
「その人間をこっちに」 
「あ…はいっ…」
 
 
 
イケメンは、色気たっぷりの美人姉妹を横目にしながら抱えていたゆきを黒胡に手渡した。
 
 
 
「あの…黒胡様…
 人間は貧弱で乱暴にす るとすぐに死んでしま うので…」
 
「わかっている
 早く行け」
 
「は、はいっ…」
 
 
 
黒胡の殺気がこもった鋭い目に、イケメンは怯えた様子で美人姉妹とその場を後にして行った。
 
 
その姿を見届けた黒胡は、腕の中で眠っているゆきに視線を移した。
 
 
 
 これが人間の感触か… 
 本当に貧弱な身体だな 少し力を入れたら壊れ そうだ…
 
「フッ…いっそ壊してし まおうか?
 
 お前を殺したら…魁は どんな顔をするんだろ うね…」
 
 
 
黒胡は妖しげな笑みを浮かべ、冷酷な目でゆきを見つめた。
 
 
 
 
 

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