悪魔と淫美な世界へ
第6章 ~揺さぶられる心~
この感じ…お姫様抱っ こされてる?
…魁…?
ゆきは戻りゆく意識の中ゆっくり目を開けると、 魁の面影がある黒胡の整ったアップの顔が飛び込んできた。
えっえっ
なんでこの人にお姫様 抱っこされてるのっ! ?
「あっあなたはっ…」
「我が屋敷へようこそ
お前をさらったのは、 魁の精神を削るだめだ
お前の存在自体があい つの弱点という事なん だよ」
わたしがっ…!?
「は、離してっ」
ゆきは黒胡から逃げようと抵抗するが、手に力が込められ腕と太ももに痛みが走った。
「いたっ…」
「暴れるなら、今ここで 殺してもいいがどうす る?」
逆らう事は許さないという様な鋭く冷たい目…
ゆきは怯えた素振りを見せ、恐怖で微かに身体を震わせた。
「フッ…良い反応だ
そろそろあの姉妹にも 飽きてきた頃だし…
魁が動き出すまでの暇 潰しに俺の相手をして もらおうか」
っ!?
それってっ…
「悪魔が夢中になる身体 なんてそうそうお目に かからないからね
お前の苦痛で歪む顔が 早く見たい…」
感情の無い冷たい笑みに、ゆきは身の危険を感じて身体を強ばらせた。