悪魔と淫美な世界へ
第7章 ~争いの先~
その頃、事務室では黒胡と琉希が向かい合ってソファーに座り話し込んでいた。
「ゆき様を王になんて、 どういう風の吹き回し ですか?」
「フッ…ほんの暇潰しだ よ
人間が魔界を支配する …面白そうだろう?」
「私にはよく分かりませ ん
ただ…ゆき様は良い王 になります」
琉希は、眼鏡を妖しく光らせながら中指で直した。
「ふ~ん…お前が人間の 味方をするなんてね
俺と魁よりもゆきの方 が王に相応しいって事 か?」
「はい
ゆき様は、魔界で最も 力がある魁様と黒胡様 を手なづけていますし 」
「フッ…
手なづけてる…ね…
まあ、あながち嘘でも ないかな
今、ゆきは魁と寝室か ?」
「はい
…争いになる事はしな いで下さいね」
「フッ…しないよ」
鋭い琉希の発言に、黒胡は企みを含んだ笑みを浮かべた。
「後でゆき様、魁様、黒 胡様それと私で今後の 詳しい事を話し合わな くてはいけませんね」
「それは頭の良いお前が 独りで決めた方がいい んじゃないか?」
「その方が早いですが、 王になられたゆき様の 意見を聞きたいので… 」
「本当にゆきを王に認め たらしいな」
「私は最初から認めてい ますよ」
「そう…
…今後の魔界がどうな るのか楽しみだね…」
黒胡は、他人事の様にそう言うと悪戯な笑みを浮かべた。