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悪魔と淫美な世界へ

第8章 ~誓い~

 
 
 
皆が寝静まった頃、ゆきの居る部屋の前で立ち尽くしている魁の姿があった。
 
魁は扉に手を掛けたが、開かず鍵が掛かっていた。
 
 
 
 鍵か…
 
 お前の気持ちも考えず 、乱暴に抱こうとした から怖がってるのか… ?
 
「…ゆき…」
 
 
「ふ~ん…喧嘩したみた いだね
 せっかく兄として忠告 してあげたのに」
 
 
 
嫌な笑みを浮かべながら近付いて来る黒胡に、魁は目を鋭くさせた。
 
 
 
「お前が余計な事をした からだ」
 
「フッ…八つ当たりか? 俺は、ゆきが悩んでた から相談にのっていた だけだよ
 
 ついでに自分の気持ち も伝えてしまったけど ね」
 
「それが余計だ」
 
「フッ…
 想いを伝えるのは自由 だろう?」
 
 
 
2人は静かに睨み合い、今にも戦いが始まってしまいそうな勢いだ。
 
 
 
「フッ…
 本当にお前とは合わな いな」
 
「それはこっちのセリフ だ」
 
「ゆきは、俺達が争うの を良く思っていないみ たいだし…
 
 まあ、ゆきが生きてい る間は休戦ということ で」
 
「ああ…」
 
 
 
殺気立ちながらも、魁と黒胡はそれぞれその場を後にして行った。
 
 
 
 
 
 

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