悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
最近まで使われていた様な生活感のある部屋…
ゆきは胸元を抑えたままベッドに座っていて、琉希はクローゼットから服を出していた。
「今はとりあえずこれに 着替えて下さい」
「ありがとうございます …」
「後ろを向いているので どうぞ」
「あ…はい…」
琉希の背中を見ながら、ゆきは少し恥ずかしそうに着替え始めた。
「で、それは誰にされた んですか?」
「…その……魁…に…」
「魁様が?」
「私が悪いんです…
黒胡さんの部屋に独り で行ったから…」
「何かされたんですか? 」
「最初は相談にのっても らってたんですけど… ちょっと…告白されて しまって…
で…その…キスされた ところを見られちゃっ て…
あの…着替えました… 」
渡された赤いドレスは全体的に少し大きく、座るとブカブカさが目立っていた。
「やっぱり少し大きいで すね
後で新しい服を用意し ておきます」
「ありがとうございます …」
「ここは空き部屋なので 、戻りたくなければ使 って下さい」
「はい…」
「ゆき様は、黒胡様の事 も?」
「えっ…わ、私が好きな のは魁だけですっ」
あっ…なんか、凄い今 恥ずかしいこと言っち ゃったっ…
恥ずかしそうに頬を赤くさせるゆきを見て、琉希は微かに口元を緩ませた。
「何にしても、魁様が落 ち着いてからの方がい いでしょう
今は近寄らない方が身 のためです」
「そう…ですね…」
いろんな意味でメチャ クチャにされそう…
下手したら腹情死…な んて…
ボロボロになるまで魁に犯される光景が頭を過ぎり、ゆきは身震いした。
「夕食はここに運びます か?」
「あ…お願いしますっ」
「わかりました
では、次の仕事がある ので失礼します」
「あ、はい…忙しいのに ありがとうございまし た」
琉希は部屋から出て行ってしまい、独りになったゆきは力無くベッドに倒れ込んだ。
「はぁーー…」
これからどうしよう…
いつもの魁なら…あん なに感情出さないのに …
…でも…そうさせたの は…私……