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悪魔と淫美な世界へ

第8章 ~誓い~

 
 
 
昼食を食べ終わったゆきは、重い足取りで広間に向かっていた。
 
 
 
 どんな話しか気になる …
 でも…聞くのが怖い… 
 あー…凄い緊張してき たっ…
 
 
「ゆき」
 
 
 
魁の声でハッとすると、もう広間に辿り着いていて一気に緊張感で胸がいっぱいになった。
 
広間には魁しか居なく、いつもより静かな感じだ。
 
 
 
「…魁……話しって…」 
「ずっと…想っていた事 なんだが…」
 
 
 もういっそ、早口で言 っちゃってっ…!
 
 
 
焦れったさと激しい緊張がゆきを襲い、魁の事を見ているようで視界に入っていない状態陥った。 
 
 
「…ゆき…
 生涯…俺と共に居て欲 しい…」
 
 
 えっ…?
 
 
「ゆき…俺と結婚して下 さい」 
 
 
 
気が付くと魁の手には指輪があり、ゆきは嬉しさよりも驚きの方が上回り固まってしまった。
 
 
 
 聞き間違いじゃ…ない よね…?
 どうしようっ…驚き過 ぎて声がっ…
 
 
「…駄目か…?」
 
「あ…やっ…嬉しくて声 が出なくて…
 …こちらこそ…宜しく お願いします」
 
「安心した…
 黙ったままだから断ら れるかと思った」
 
「こ、断るなんてっ…あ りえないよっ」
 
「クスッ…
 こんなに緊張したのは 初めてだ…」
 
「えっ…魁でも緊張する の…?」
 
「そうみたいだ…」
 
 
 
魁はゆきの左手を取り、丁寧にその指輪を薬指にはめた。
 
 
 
「あ…サイズぴったり… 」
 
「お前の身体の事なら全 て知り尽くしてる」
 
「えっ…」
 
「唯一分からないのは… 心だ…
 
 だから、お前がいつ心 変わりするのか…心配 で怖くてたまらなかっ た…」
 
 
 
切なく苦しそうな眼差しで見つめられ、ゆきは胸の高鳴りが激しくなるのを感じた。
 
 
 
 魁には自信しかないっ て勝手に思ってたけど …
 実際は、怖いとか緊張 するとか普通にあるん だよね…
 
「魁…私は…みんなと違 って空を飛べないし、 魔力?もなくて…
 
 ただの人間に王が務ま るのか悩んでたの…」 
「そうか…気付いてやれ なくて悪かった…」
 
「ううん…」
 
 
 
2人は見つめ合ったままそれ以上喋る事は無く、ゆっくりと唇が重なった―――……
 
 
 
 
 

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