悪魔と淫美な世界へ
第8章 ~誓い~
翌日。
城にある広い庭は結婚式場になっていて、ドレスやスーツで正装した大勢の悪魔達が集まっていた。
「ゆき様と魁様が結婚と は…」
「急な事で驚いた」
「魁様が結婚なんてっ… 」
「もう私達との相手はし ないみたいよ」
男達は皆驚き、美女達は嫉妬心を抱きながら式が始まるのを待った。
「急な事にも関わらず集 まってくれてありがと うございます
では、ゆき様と魁様の 結婚式を始めます」
琉希の合図で、タキシード姿の魁と黒いウェディングドレスを着たゆきが現れた。
「今日で2人は夫婦にな ります
では、誓いを…」
「ゆき…俺の全てはお前 のものだ…
一生、お前を愛し続け る事を誓う…」
「私も…誓います」
魁は琉希から金色のグラスを受け取り、入っていた赤い液体を口に含みゆきに唇を重ねた。
「んっ…」
これ…ワイン…?
でも…この甘い香り… もしかしてっ…
液体が喉を通り、ゆきの身体は熱くなり微かに息も乱れてきた。
「…魁…これ…」
「媚薬だ
人間界では、式の後は ハネムーンだろう?」
「その前にちょっといい かな?」
突然響き渡ってきた聞き慣れた声…
正装した黒胡が近付いて来たかと思うなり、ゆきの前で突然跪いた。
「黒胡さんっ…!?」
「今更邪魔しに来たのか ?」
「フッ…ある意味ね
…ゆき、綺麗だよ…
前にも言ったけど、俺 は二番目でいい
だから、浮気したくな ったらいつでも俺の所 に来い…」
黒胡の愛人宣言に、皆驚き式場は違う静けさに包まれた。