悪魔と淫美な世界へ
第2章 ~可愛い?年下男子~
クラスメイト達が帰って行く中…
里香の姿はもうなく、ゆきはひとりで帰る支度をしていた。
はぁーー‥‥
あの家に帰りたくない なぁ…
‥‥自分の家に帰りた い‥‥
お母さん‥どうしてる かな?
…お父さんは―――…
父に襲われた事を思い出し、ズキっと胸の痛みが走った。
そして…
そこに現れた黒い羽を持った魁―――…
惹きつけられるような 鋭く赤い目…
人間離れした綺麗な顔 と完璧なスタイル…
魁に迫られたら、どん な女の人もいちころな んだろうなぁ~‥‥
徐に席を立ち、ゆきは鞄を肩から下げ教室を出た。
「喜多波 ゆき先輩っ」
っ?
後ろから聞こえてきた男の可愛らしい声、ゆきは反射的に振り向いた。
視線の先には、茶に染めた少し長めのショートをした細身で可愛らしい顔立ちをした年下っぽい男子の姿があった。
クリっとした潤んだ瞳は母性本能をくすぐり、ゆきは一瞬ドキッとした。
里香の言ってた転校生 かな?
思ってたよりかなり可 愛いっ…
「なっなんでわたしの名 前を…?」
「里香先輩に教えてもら ったんだ
ゆき先輩に同棲中の彼 氏がいることも!」
「そっ‥そう…
で‥その…なにか用… ?」
「一緒に帰らない?」
ニコッと無邪気な笑顔を向けられ、またドキッと胸が高鳴った。
その笑顔は反則っ
駄目って言いにくくな っちゃうっ‥‥
「駄目?」
「えっ…あの‥‥
‥‥い‥いいけど…」
「じゃあ行こう♪」
ゆきの手を取り、少し強引にそのまま歩き出した。
「えっあっ…」
手っ…
思わぬ行動に、ゆきは動揺を隠しきれずうっすら頬を赤く染めた。