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悪魔と淫美な世界へ

第4章 ~ 捧げる想い ~

 
 
 
「んんっ…やっ‥‥」
 
 こんな‥人が居る所で っ…
 
 
 
「いや~っ
 だいた~んっ!」
 
「あんなイケメンと…
 羨まし~いっ」
 
 
 
周りの視線に、ゆきは恥ずかしさで顔が真っ赤になりながら必死に抵抗した。
 
 
 
「…魁っ…やめっ…」
 
「ギャラリーが居たら不 満か?」
 
「わたしは…嫌‥‥」
 
 大胆過ぎるよ…
 
 
「じゃあ、来い
 家でたっぷり可愛がっ てやる…」
 
「あの…そういう事じゃ なくて‥‥」
 
 
 
煮え切らない態度のゆきに、魁は痺れをきらした様子で突然立ち上がった。
 
 
 
「魁…?」
 
「ゆき…
 俺は‥いつまで我慢す ればいい?」
 
「え…?」
 
 
 
そう言い残し、魁は人混みの中に消えていってしまった。
 
ゆきは状況が理解できず、魁が歩いて行った方をしばらく見つめた―――‥‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その後独りで家に戻って来たゆきは、玄関に魁の靴が無い事に気がついた。
 
 
 
 帰ってないんだ…
 
 …どこ行っちゃったん だろう‥‥
 
 
 
居ないとわかっていながらも、リビングや各部屋を覗くゆきだったが、魁の姿は何処にも無かった。
 
 
 
自分の部屋に戻るなり、力なくうつ伏せでベッドに倒れ込んだ―――
 
 
 
 わたしが拒んだから… あの悪魔の美女2人の 所に行ったのかな‥‥ 
 想像しただけで‥胸が 痛い‥‥
 
 
 魁と楽しくデートした かっただけなのに…
 
 …なんで‥こんな事に なっちゃったのっ…? 
 
 
涙が溢れ出し、ゆきは静かに泣き続けた‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 

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