悪魔と淫美な世界へ
第4章 ~ 捧げる想い ~
結局ゆきも蒼空のいる1年1組の教室にいて、蒼空の机の前に立ち尽くしていた。
「いいよっ」
「ほんと!?ありがと! ゆき、良かったねっ」
「えっ…うん…」
本当にいいのかな…
「それじゃあ、あたしは ちょっと彼氏の所に行 くから♪」
「えっ‥里香っ」
彼氏で頭いっぱいの里香は、ゆきを置いてさっさと教室を出て行ってしまった。
「ゆき先輩‥目少し赤い けど大丈夫?」
「えっ…うん、ちょっと 寝不足でっ…」
「…本当に寝不足?」
蒼空はいきなり立ち上がり、心配そうに見つめ…
その瞳から目が離せなくなってしまい、聞こえそうなくらい胸が高鳴った。
「おれなら…ゆき先輩を 絶対泣かせたりしない 」
「えっ…その…」
「まあ、少しでもゆき先 輩のそばにいられるか ら
ある意味感謝だけど♪
学校終わったらデート しようよっ」
「でも…」
「悪魔の彼氏を妬かせる んでしょっ?
大丈夫、前みたいに変 な事しないように努力 するからっ
キスはするかもしれな いけど♪」
「えっ…!?
か‥かわないでっ…」
蒼空って‥冗談か本気 かよくわかんない…
というか、魁がヤキモ チなんて想像つかない なぁ‥‥
「ゆき先輩ってほんとに 可愛いねっ
じゃあ放課後、門の所 で待ってて!」
「う‥うん…」
ノリノリな蒼空に圧倒される様に、ゆきはあまり乗り気じゃない様子で教室を後にした。