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悪魔と淫美な世界へ

第4章 ~ 捧げる想い ~

 
 
 
その放課後…
 
学校を後にしていく生徒達がいる中、門の前で立ち尽くすゆきの姿があった。
 
 
 
 本当にこれで良かった のかな…
 好きな人を騙すなんて …
 
 …だけど…
 魁がどんな反応するの か‥見たくないって言 ったら嘘になる‥‥
 
 
「ゆき先輩、お待たせっ 」
 
 
 
ボーッとしていた所に蒼空がひょこっと現れ、ゆきは少し驚いた様子で見つめた。
 
 
 
「じゃあ、行こうっ?」 
「あ…うん…」
 
 
「何処にだ?」
 
 
 
突然聞き慣れた低く色っぽい声が耳元で囁かれ、ゆきは驚いて勢い良く振り返った。
 
 
 
「魁っ…どうしてここに っ…!?」
 
「迎えに来たに決まって るだろう
 …行くぞ」
 
「ねぇ…今まで…どこに いたの…?」
 
「女を犯していた
 それがどうかしたか? 」
 
 
 やっぱり他の人と…
 
 魁は悪魔…わたしの事 好きになるはずないっ 
 そんな事わかってて魁 を選んだのに…
 なのにっ…胸が張り裂 けそうなくらい痛いっ ‥‥
 
 
 
今にも泣き出してしまいそうなゆきの頬を、蒼空はの手が優しく触れた… 
 
 
「ゆき先輩‥大丈夫?」 
「あ…うん‥‥」
 
「貴様、俺の物に触れる なっ」
 
 
 
魁はその手を掴み上げ、その強い力に蒼空の足は地面から少し浮いていた。
 
 
 
「いっ…離せっ…」
 
「フッ…
 このまま、手首を折っ てやろうか?」
 
「蒼空っ…
 魁っ、やめて!」
 
「そんなにこの人間が気 に入ったのか?」
 
「そっ‥そんなんじゃっ 」
 
 
 
「なに?ケンカ?」
 
「あれ、ちょっとヤバく ない?」
 
 
 
気がつくと下校途中の生徒達が集まっていて、魁は舌打ちをして仕方なく手を離した。
 
 
 
「ゆき、行くぞ」
 
「あ…」
 
「ゆき先輩…」
 
 
 
手を差し伸べる魁と、真剣な眼差しで見つめる蒼空…
 
2人に挟まれ、ゆきの心は大きく揺らぎ…そして―――
 
 
 
 
 

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