悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
「ゆきを連れて行く条件 で魔界へ戻る
それでいいだろう?
…琉希」
「戻って頂けるのなら仕 方ありませんね」
魁が横目で視線を向けた先には、いつの間にか琉希が立ち尽くしている姿があった。
「ですが、魔界は人間の 魂・血肉を狙う輩が沢 山いるので命の保証は ありませんよ?」
「えっ…」
「お前は俺が守る
何も心配する事はない 」
怯える素振りを見せるゆきを、魁は真剣な眼差しで見つめた。
ついさっき‥あの2人 に殺されかけた…
そういうの、魔界では ごく普通の事なのかな …?
怖いけど‥魁と離れた くない‥‥
「…魁と一緒なら…わた し‥魔界に行くっ」
「そうか
心の準備が出来た様だ し、早速行くぞ」
「えっ…もうっ!?」
驚くゆきを、魁は半ば強引にお姫様だっこするなり勢い良く窓から飛び散った。
いやぁっーー!!
速すぎるよぉー!!
ゆきは固く目を閉じ、必死に魁にしがみついた。
すると急に暗くなるのを感じ、恐る恐る目を開くと…
あ…ここが…?
空は黒い雲だらけで薄暗く、心なしか空気がよどんだ感じがする。
自分がいた世界とは全く違う異世界に、ゆきは不安と緊張で顔を強ばらせた。
「着いたぞ
あれが俺の城だ」
「え…」
視線の先には少し古びた大きな城があり、お化けが出そうな雰囲気だ。
ちょっと怖い感じ…
「あのお城には魁以外誰 かいるの?」
「ああ
この城は地位が高い者 達の住処だ
まあ‥行けば分かる」
「うん…」
どんな人達なんだろう …