悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
誰も通さないと言わんばかりの棘で囲われている古びた屋敷…
まるで王と思わせる派手な椅子に脚組して座っている、長髪美形の姿があった。
20代後半位だろうか…黒髪はストレートで背中まであり、モデルの様なスタイルと美しい顔をしている。
切れ長の鋭い目はどことなく魁に似ているが、その瞳は深い憎しみと闇に包まれていた。
「ふ~ん…魁がね~
で‥その人間に手を出 して城を追放されたん だね?」
「ええ」
「私達、他に行く所ない の
だからここに居てもい い?」
美蘭と潤那はその美しい美貌を武器に、椅子にまとわりつく様に近付いた。
「俺は構わないよ
独りで退屈してた所だ し、好きなだけこの屋 敷に居ればいい
その代わり‥俺を楽し ませてくれるよね?」
「え、ええ…もちろんよ 」
長髪美形の冷たく妖しげな笑みに、美蘭と潤那は 内心怯えた様子で顔を見合わせた。
「そういえば‥近々城で パーティーを開くらし いね
クスッ…楽しみだ…」
長髪美形は、背筋が凍る程の嫌な笑みを浮かべた。