悪魔と淫美な世界へ
第6章 ~揺さぶられる心~
「んっ…」
お酒っ!?
慣れないワインの味が口の中に広がり、ゆきの目は徐々にトロンとなっていった。
何これ…体が…熱くな って‥‥
「魁…何か…体が変…」
「媚薬が効いてきたんだ ろう」
「えっ…」
魁の整った顔が耳元に寄せられ、掛かる吐息にビクッと身体が跳ねた。
「お前の乱れた姿が見た い…」
「えっ…魁?」
「お前は俺のものだと… 皆に見せつけておかな いとな」
唇はそのまま首筋に寄せ、ローブの上から胸に触れた。
「あっ…こんなとこでっ …」
「クスッ…
恥ずかしいのか?」
「だって…こんな大勢い る所で‥‥」
「周りを見てみろ」
気がつくと、悪魔達は裸同然の姿で身体を重ね合わせていた。
見境なく快楽だけを求めたその光景に、ゆきは恥ずかしそうに目を逸らした。
やっぱりわたしには刺 激が強過ぎる…
余計に体が熱くなって きてっ…
それに…なんか胸が苦 しい‥‥
「媚薬のせいで苦しいの か?」
「…少し…」
「じゃあ、その苦しみか ら解放してやる
寝室に行くぞ…」
いつになく色っぽい雰囲気の魁に、ゆきは心奪われた様に胸を高鳴らせた。
「久し振りだね、魁」
席を立とうとした時、目の前に黒いスーツ姿の長髪美形が現れた。
20代後半くらいに見え、長身でモデルの様にスタイルが良く美しい顔をしている。
目が魁に似てる…
魁よりも少し年上に見 えるけど…もしかして 兄弟?
「パーティーに来るなん て珍しいな
黒胡…」
急に魁の目は鋭くなり、強い警戒心を露わにさせた。