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ちょっとえっちな短篇集

第8章 きみじゃなきゃだめなの後

「着替えて来いよ」

傷つくよね。

いたって普通に、メシの前は手洗えよ、くらいのつもりで。

アートはわたしが傷ついたとか悲しいとか
そんなことちっとも気づいてないし考えたこともないんだ。
わたしのこの好きって気持ちにだって
全然気づいてくれてないし…

「ほら何してんだよ、着替えないならおいてくぞ」

せっかく可愛い服選んだのに。
片付けるのも大変だったんだよ?
メイクだって髪の毛だって
いつもより時間と手間をかけてつやっつやになるように、

全部かわいいって思ってほしいからだよ?
他のだれでもない君に。

考えてたら悲しくなってきた。

ああ、なんか泣きそうかも…
メイク崩れるから普段は絶対気にするんだけど
どうせいいよね、わたしなんか。

って思うと我慢できなくって、私の頬をポロッと涙が伝っていった

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