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ちょっとえっちな短篇集

第1章 コンプレックス

あかるい小花柄に裾には華やかすぎず安っぽくないレース。
手触りのいい布をたっぷりと使ったスカート、
可愛らしいワンピースを着た人物がベッドに座っているのを鏡で見る。
似合わない。


見ていたくなくて視線を再びスカートに落とす。
縫製の良い物だ。
生地も良い。
レースも邪魔にならない程度に付いている。
その裾から覗く自分の足をたどる。

細いが女性らしさとはほど遠いその足に、悠希はため息をついた。

この足がもう少し柔らかであれば…何度そう思った事だろうか。
黒いソックスに包まれたふくらはぎにそっと触れる。
足だけでない、腕も、胸も、女性らしい柔らかさからはかけ離れている。

この体がもっと女性の様であれば…
幼い頃から何度思っただろう、悔いただろう。
その度に自分の体を見てため息をつき、
時には涙したのだった。

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