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ちょっとえっちな短篇集

第9章 ナターレの夜に

ロクでもないことが起こりそうな気配なんて
とっくに気づいてたけど、
やっぱ暇で仕方なかったんだろうな。

ご丁寧にそいつのいる場所まで屋根伝って
軒伝ってわざわざ降りていっちまうなんて。

金髪の男、もしかしたら染めてんのかもしれない、は
映画の中でしか見ないような悪趣味な真っ白なロングコート
(しかも血飛沫のペイント付きだ!)
の印象が強すぎて目につかなかったけど
俳優かって位の外見で、なまっちょろくもない。

カタギの人間には見えないけど
これは女がほっとかないだろうなって容姿で、
それを自覚してるんだろう、
軽薄そうな舐め腐った態度でヘラヘラ笑っていやがる。

「いやーそれにしてもいい夜だね、坊やはここで何をしていたんだい?」
「声を抑えろ、てめぇ何しにきた。
つかラガッツォってガキ扱いすんじゃねーよ」

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