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ちょっとえっちな短篇集

第13章 しのぶれど

もう指先に力が入らず
喉を押さえることもできなくなった。

思考も定まらない、靄がかかったようだ。

もう間もなく死ぬのだ。



ごうと強い風が吹き、厚い雲が流れる。

かすみゆく視界の中

差し込む月の光に照らされて
一糸まとわず立つ女は

血まみれで有りながらも
先ほどまでより余程美しかった。



END

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