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ちょっとえっちな短篇集

第15章 さわらないで

さわらないで、って言ってたけど

さわって、どこか知らないところへ、
私がまだ行った事ない場所に、さらってほしかった。

「どこか二人っきりになれるところに連れて行ってください」

私の言ってることが飲み込めたみたい
先輩の顔が一気に赤くなった。

「高崎!」
先輩の手が私の手首をつかむ。
繊細だけど骨太の男の人の手、力強い。

私のかばんを持った先輩が改札に向かって歩き出す。

でもきっと行き先は学校じゃない別のところ。

そのままどこか遠くに連れて行って

それから振り向かずに走った。

END

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