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ちょっとえっちな短篇集

第5章 ひねもすのたり

「ほな先行っとるでーはよ来ぃやぁー」
ぶんぶんと手を振り回してビーサンを引きずって浜に向かう足がいつもより早い、
それだけ興奮してるの?子供じゃないのに、私とじんめとりに行くくらいで。

私も水着をきて、パーカーを着てショーパン履いて帽子を二つもって(たかしは持ってなかった)タオルと水も持って(これも持ってなかった)
玄関脇の納戸にかけられた浮き輪と、念のため袋も持っていく。特別なことなんか何もないいつものことだ。

堤防釣り行ったりウニ取ったり、普通に泳いだり、いつもこの坂を下ってたかしと海に行ってる。

太陽の光はまだ強くなくて、結構大荷物だけど指定されたてっちゃんのとこまではそう遠くない。
あそこの錆びてる橋脚の下の岩場、あそこにたくさんいるって言ってた。

ガシャガシャ言う織機の音と私のぺったんぺったんするサンダルの音、もう少しするとセミも鳴き出す。

キラキラの朝の太陽の光が麦わら帽の隙間から差し込んで、中2の8月の海がすごく特別に思えた。

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