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案内屋 〜アンナイヤ〜

第7章 アライ ザ ほーむ 其ノ二

「大学院生…どこの大学だったんですか?」

凛丸は疑問をぶつけてみた。
しかし運悪く、それはミスショットに終わった

「そこまでは…ちょっと…。ちゃんと卒業出来てないし。」

鏡音の表情が暗くなる
在学中、何か辛い事でもあったのだろうか
どちらにせよ、凛丸はこれ以上探るのはやめた。

「ごめんなさい。変なこと聞いて…。」

「ううん、凛丸君は悪くないよ。ちょっと色々あって、その頃のことは思い出したくないんだ。ごめんね。」


二人の空気は急に重くなった。
しかし、凛丸はむしろ彼女に親近感が湧いていた

記憶が無い自分と、過去に大きな傷を背負った彼女

どこか、似通ったものを感じたのだ。

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