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案内屋 〜アンナイヤ〜

第7章 アライ ザ ほーむ 其ノ二

雨の日、道端で彼は捨てられていた。

捨てられたその時にはもう、自分が何者なのか?本当の両親は誰なのか?何故ここに居るのか?
全てを忘れ去っていた。

いや、もう思い出す気力も無くなっていたのだ。

体が異常に疲れていたのを少しだけ覚えている。
とんでもないほどの怠惰感。



塔家が彼を見つけたのは、偶然の産物だった。


塔凛丸の現在の母、塔恭子は子供の産めない体だった。
凛丸の父、塔勇志もそれを酷く悩んでいた。

そんな中捨てられた彼を見て、二人は彼を息子として迎えようと決心した。

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