
案内屋 〜アンナイヤ〜
第7章 アライ ザ ほーむ 其ノ二
凛丸は申し訳ない気持ちになった。
聞くべきでは無いことを聞いて、掘り返してしまった。
「あの…渋谷さん、ごめんなさい。聞かない方が良かったですよね…。」
だが、その謝罪に対する返答は意外なものだった。
「馬鹿野郎。別に昔のこと振り返ってナーバスになってる訳じゃねぇよ。テメーに言っときてぇことがあるんだ。」
凛丸は再び驚いた。
あまりに意外だった。
「俺は裏社会で一悶着起こして、どうしようもなくなった時に、陣内さんに世話になった。だがその代わり、俺の親は俺を見捨てた。縁も切られた。戸籍から外すほどの徹底振りだ。」
「…見捨てた…。」
