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案内屋 〜アンナイヤ〜

第7章 アライ ザ ほーむ 其ノ二

「俺はもう身寄りと言えば案内屋しかねぇ。だから俺はあそこに居るんだ。」

覚悟の違い。
ワクワクして入ってきた自分とは違う…

「でもよ、やっぱ親のことは心配なんだよ。親は親だからな。でももう、顔すら合わせられねぇ。声すら聞けねぇ。」

渋谷は朝日を見ながら、少し辛そうな目をした

「だからよ、お前。お袋さん大事にしろよ?当然親父もだ。本当の両親じゃないかもしれない。でも、テメーが生きてこれたのはテメーの力だけじゃない。親っつうもんが居て、ここまで来れたんだ。大切にしろよ?」


渋谷は、こんなにツンケンしていても、多少暴力的でも、荒くても厳しくても、やっぱり優しい男なのだ。

凛丸は渋谷に対する考えが変わった。

尊敬に値する先輩。


凛丸の虚無の中にまた一つ、大事なものが出来た気がした。



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