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案内屋 〜アンナイヤ〜

第7章 アライ ザ ほーむ 其ノ二

「…無力…か。別に構わねぇさ。誰だって、何でも出来るほど強くねぇ。自己嫌悪に陥るより、今を変えることを考えな。」


正論だ。
僕は多分、無力を感じるよりも無力な自分を誰かに慰めて欲しいだけなのかもしれない。

情けない自分を嫌悪するのはやめて、凛丸はとりあえず現状をなんとかすることを考えた。


「渋谷さん…白い家にはいつ頃行くんですか?」

とりあえず仕事を全うすることを考えた。

「ん、ああ。白い家はまた夜に行く。今度こそ解決させる。」

渋谷はおもむろにスーツのポケットからタバコを取り出して口に咥えた。
直ぐに火をつけ、一息着く。

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