私立愛鷹学園高等部
第11章 *中庭ランチから*
そう…
翔に比べたらオレは幸せだろ…?
幸せなのにっ…
ーポタッ…
涙が溢れた。
過去の事を思い出しただけでっ…
「夾?どうした?」
「ごめん!!!くそっ、止まれよ涙!!」
オレは必死に涙を拭いた。
でも涙は溢れるばかりだった。
「泣けよ。」
「え…?」
「お前さ、一人で背負い込みすぎ。
昔の事だってオレらは知ってんだ。
もっと頼ってくれていいし…
どうせ新山にも言ってねんだろ?
わかんだよ。親友…だろ?」
「うっ、うぅ~…
背負い込んでなんかっ…だって…
翔っ、苦しい事たくさんあって…
オレ幸せで、悔しいっ…」
「アホ!!あんな過去あって何が幸せだよ!!オレの方がマシだ!!! つーか、
不幸で勝っても嬉しくねぇの!!!」
「うっ、あぁぁあ!!!」
やっぱり涙は止まらなかった。
翔が黙って抱きしめてくれたのが
救いだった。