私立愛鷹学園高等部
第17章 *祈り*
「あー、全部忘れて下さい。」
「…は?全部って…」
「今日のコトです。オレ…じゃなくて僕たち、別れたってコトであってますよね?思い出を消すって訳じゃないですから、安心してくだ…」
「な、ちょっ、待てよ……勝手に決めんなよ。なんで別れたコトになってんだよ。オレの気持ちは無視かよ。」
「はぁ…無視なんてしてません、母さんを選んだじゃないですか。」
「違うって!!」
「違わないです。母さんといましたよね。オレはほったらかしでね。」
「なんでっ……なんでそんな冷たいんだよ!!笑えよ!!反応しろよ!!なんでっ…壊れた機会みたいにっ…!!」
「先生。僕らはもう、ただの生徒と教師なんですよ。」
「違う…違う違うっ!!!」
「ほら、認めましょうよ。子供じゃないんですよ?」
「違う違う!!嫌だ!!」
ボロボロと落ちる涙。
オレは旗四部に抱きついた。
旗四部の言う通り子供みたいで
オレがオレじゃなくて
オレの涙が
じんわりと
旗四部の服を濡らしていく