私立愛鷹学園高等部
第17章 *祈り*
「先生。もう、ダメですよ。ちゃんと、全部覚えてます。先生がしてくれたことも、オレがしたことも。オレ、忘れませんから。短い間、ありがとうございました、新山ヒカリ先生。」
旗四部はそう言って
スルッとオレから離れて行く
「いやっ、待って………」
旗四部が遠ざかっていく
最後にちゃんと見たい
見たいのに
涙が邪魔ではっきり見えないよ…
「じゃ、また授業で。」
あぁ、いかないで………
オレの愛しい人…
旗四部は微笑んで部屋を出た
嘘だ、夢だよな、全部
そうだろ?
もう、オレの中には何もないよ