俺の小さなお姫様
第10章 第十章 梓の素性
チラッと後ろを見ると、梓はただ下を向いていた。
メット被ってるせぇか、顔がよく見えねぇ
…ったく手ぇかかるヤツだな
ギュッ
「え?ちょっと遥?」
俺は梓の手を掴んで、落ちねぇように無理矢理腰に回させた。
「遅ぇんだよ。しっかり捕まっとけ」
答えると同時にバイクを出した。
「まってよー!まだ、心の準備が…。」
梓が何か言ってるみたいだけど、エンジンの音がデカ過ぎて何にも聞こえなかった(笑)
まー、別に大した事じゃねぇだろ?(笑)
俺は梓の声を無視して大学へと急いだ。