俺の小さなお姫様
第10章 第十章 梓の素性
「わかった。もういいから、あっち行って休んでろ。」
「…。ごめん」
ポンッ
しょんぼりしている梓の頭をなでてやる。
「んな顔すんなって?
出来ねぇ事やれって言ったのは俺だし、気にすんなよな?(笑)」
「うん…。
遥、サンキューな?」
「ああ。」
ぎこちなく、笑うアズと会話を楽しみながら俺は晩飯の支度を進めた。
ガチャ
「ただいまー!」
晩飯が出来た頃、元気な声と一緒にトコトコ廊下を走る音が近づいてきた。
「あ、ちびっこ帰ってきたんじゃね?」
「ああ。そーみたいだな。」
トコトコ…
ガチャ
「はるちゃんただいま~!」
リビングのドアを開けた瞬間にガキんちょが飛び付いてくる
「愛、お前帰って来んの遅ぇよ?
ったく、今日はお客いんだからちゃんと挨拶しろよ。」
「おきゃくー?」
パッと俺から離れて隣にいる梓の顔をじぃーっと見始めた
「えーと、初めまして愛ちゃん。俺、梓って言う遥の友達でーす。
よろしくね~?」
「…。」
ん?愛のヤツ別に人見知りじゃねーのに、黙りしてどーしたんだ?
ガキんちょはさっきから、じぃーっと梓の顔を見ているばかりで、こっちの話なんか聞いてないみたいだった