テキストサイズ

仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 やはり―、と桃華は哀しい気持ちになった。良人が訪れたのは「妻」としての桃華を求めたのではない。一体、我が身のどこが皇帝の気に入らぬのかと桃華は真剣に落胆を憶えた。三十七歳の皇帝に比べれば、十七歳の自分はあまりにも子どもすぎる。そんな幼さが疎んじられる原因なのか。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ