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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 その夜、女官たちの手によって念入りに身支度を整えられた桃華はともすれば沈みそうになる心を抱えて、寝室に赴いた。既に皇帝は先に来ていた。皇帝の寝台程ではないが、それでも桃華が一人で眠るには大きすぎる寝台の端に腰掛けていた。
 入ってきた桃華の寝間着姿を見、彩鳳は一瞬眩しげに眼を細めた。
「やはり、訪れるのは昼にすれば良かったかな。桃華の琴の音を聴きたくなったのだが、皆には誤解されてしまったようだ」

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