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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

「朕はただの平凡な一人の男だ。間違っても、そんな風に讃えられる男ではない。学問に造詣が深いとそなたは申すが、幼いときより武芸が苦手なだけのこと。先代である父にもよく一国を統べる皇帝たるもの、国の命運を定める戦に赴く皇帝親征が必要なるときもあるに、矢の一つも満足に扱えぬとは何とも不甲斐なき奴よとよく叱られものだよ。見かけがこんな風だから、武芸もたしなむように思われてしまうけれど、現実はからしき駄目だ」

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