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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 女官たちは今度こそ皇帝の夜のおなりも度重なると意気込んでいたにも拘わらず、肩透かしを喰らわされた様子で、後宮はまた以前のようにひっそりと静まり返った。桃華は沈みがちな心を持て余しかね、部屋で鬱々としているのも余計に気が滅入るので、女官たちには内緒でこっそりと部屋を抜け出したのだ。

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