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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

「不思議なものでございます。はるけき昔には、地上で見かけることのできた宝寿草が今現在は殆ど見当たりません。わずかに砂漠地帯のオアシスに残っているのみ。伝説では、仙王様が奢る人間たちをお怒りになり、万病に効くという宝寿草を仙王様のお住まいになる水晶宮の庭園に隠しておしまいになられたともいいますが」
 それゆえに、美芳は昆論山脈の奥深くにまで分け入り、宝寿草を求めにやってきたのだ。

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