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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

 超においては冬の寒さの厳しさから、いまだ栽培に成功はせず、「幻の花」と珍重されていた。リーラの葉を煎じれば、万病に効くという薬草にもなり、かつて超の三代皇帝は臣下に遠い砂漠までリーラを探しにゆかせたが、ついに幻の花を持ち帰ることはできなかった。
「どうですか、旦那。奥さんに一つ是非お求めになっては」
 主が勧めると、男は苦笑いを刻んだ。

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